スーパーファミコンのエミュレータと言えば「SNES 9x」と「ZSNES」と言われていたのは昔の話で、2020年代は「bsnes HD」と「SNES 9x」が世界的に主流のスーパーファミコンエミュレータと言われている。
この「bsnes」というエミュレータの何が凄いのかと言えば、特殊チップ搭載」と言われてタイトルのプロセッサーを徹底的に解析し、実機同様に動作せさる為にその全てを費やしていると言っても過言ではなく、そしてこの作者さんは実際のROMを自身で入手して吸い出した上で動作確認をするという、悪く言えば無限地獄、ブルーハーツ風に言うと「終わらない歌」のような事を、かれこれ「2004年」からずっと続けている。
そんな事をしていると「とんでもないトラブル」に巻き込まれる事もある訳で、例えばそれがどんなトラブルだったのかと言えば、エミュレータの支援者から膨大な量のスーパーファミコンの「PALのカートリッジ」を借りるも、輸送途中に「未着事故」が発生してしまい、約$7500〜10000相当のカートリッジを紛失。 幸いな事に荷物に保険はかけてあったものの、その保険だけでは損失を補う事はできず、律儀にローンを組んで返却を開始するも、世の流れがスーパーファミコンエミュレータから、他のエミュレータ(多分プレステあたり)になってしまい、ダウンロード数が最盛期より落ちてしまいbsnesのユーザー離れが発生し収益が落ちるという事態に。
また各タイトル、各特殊チップ、各対応ハードウェアに対しての再現度を上げ続けた結果、アプリケーションもプログラムの処理内容もどんどん肥大化し、いつの間にやら次世代機と言われていた「プレステエミュレータよりもスーパーファミコンエミュレータの方が動作が重い」という由々しき事態も発生。
けどまあ、そんなこんなありしまたが、荷物はその後に無事に見つかり、金銭的な問題は解決し、作者様は特殊チップに全対応した後は、更にエミュレーション精度を上げ続け、一昨年くらいには「HD画質でのモード7に対応」、去年あたりは「ワイドスクリーンに対応」と言った感じに、画質面を中心にアップデートを行っていたが、何故かこの一年間はアップデートが無く、正直「死んだ」か「交通事故にあったか」か「嫁に私とエミュレータどっちが大事なの!!」と言われてエミュレータの開発をしているパソコンを破壊されたと思っていたが、実際はコツコツ開発されていた模様で超スゲェぜって感じと言える。
そんな訳で、再現度が現時点で最強と言われているスーパーファミコンエミュレータ「bsnes」が一年ぶりにバージョンアップしました。
こちらのエミュレータの特徴は「■群を抜く再現性、■特殊チップに完全対応、■ワイドスクリーンモードを搭載、■他のスーパーファミコンエミュレータに比べて要求スペックが高い」という点でしょう。
今回のバージョンアップでは(ざっくりで)
一般的な修正 ●メモリリークを修正しました。 ●レンダリングされたすべてのフレームに影響するメモリリークを修正 (#70) ●ワイドスクリーンのサイズを8単位で丸めて位置ズレを防ぐようにしました(#60) ●背景色のグラデーション スムージングに、意図したエッジのぼやけを避けるためのしきい値が追加されました。 ●いくつかのリリースビルドシステムの微調整 (一部は Margen67 さんの #57 から) ●ワイドスクリーンマーカーの位置を調整
スタンドアローン ●設定の読み込みを修正 (#45, #53) ●WaveOut (Windowsのデフォルトオーディオ)のデフォルトレイテンシが128になりました (#58) ●LinuxおよびMacのリリースでは、実行権限を保持するために.tar.bz2が圧縮されるようになりました (#37, #41)。 ●MacのリリースはmacOS 10.14 (Mojave)が対象になりました (#40) ●同梱されている設定ファイルは空ではなくなりましたが、デフォルトの入力とホットキーの設定が含まれています。 ●Windows と Linux のパッケージには ocesse による Super Metroid のワイドスクリーンパッチといくつかのサンプル設定のオーバーライド(一部 @wojpawlik による)が含まれています。
その他 ●ワイドスクリーンまわりを色々変更できる用に修正
●CPUのオーバークロック の設定を0に設定できるようになりました ●ワイドスクリーンマーカー の設定を'm'で設定できるようになりました。 ●モード7遠近法補正 の設定をPから設定できるようになりました。 ●ゲームの切り替え時にオーバーライドが正しく削除され、設定で偶発的にセーブされないようにしました
となっています。
なお、bsnesがどれほど再現度に拘っているかと言うと、実機で処理落ちしているタイトルは、その処理落ちを完全な状態で再現するというレベル。 決して快適に動かす訳ではなく、あくまでも再現度が優先。
という訳で、「Analoge Super NT」の再販を毎日願ってるけれども「なかなか」再販が行われず日々モヤモヤしている方や、自分の中のスーパーファミコンエミュレータが「ZSNES」で止まっている方、特に理由もなくパソコンのスペックを上げているけれどもOSが早く動作する以外「まったく恩恵を受けてない」という方は、たまには新しいエミュレータをインストールして気分を変えてみてはいかがでは。
追記…作者さんも「一年ぶりだな」と、どこぞのスーパーヒーローみたいな事を言っていた。 やっぱヒーローは遅れてやってこないとね。
| |