「盗んだケーキは美味しいんです」
これは関東地方の某地方裁判所の大法廷で、女性被告人が裁判官に述べた言葉だ。
彼女は続けて言う
「本当に盗んだケーキは買ったケーキと味がぜんぜん違うんです!」
この言葉が発せられた瞬間、傍聴人全員が下を向いて笑いを噛み殺し、質問をした裁判官は「カラヴァッジョのトカゲに噛まれた少年」のような表情となり、たった一人の味方である弁護人は「南極1号」のような顔をしていた。
この被告人の罪状は「常習窃盗」、裁判傍聴を趣味にしている人間からすれば「よくある事件」であるし、この手の裁判は総じて被告人が「気がついたら無意識のうちに万引きをしていた」とか「欲しいと思ったらまず万引きしてしまう」という感じに、窃盗が「癖」もしくは「病」に近い場合が多い。
だがこの被告人の場合「盗んだ食べ物は買った食べ物よりも美味しい、だから盗む」ときている。
確かに自分のまわりで「自家菜園で作った野菜はスーパーで買った野菜と味が全然違う」とか「自分で釣った魚は買った魚よりも美味しく感じる」とか「熊って食べているものが個体ごと違うから、狩った熊ごとに味が違う」…と、いう事を語る人はそれなりにいるし、当方が「アオリイカ釣り」を趣味にしていた頃は「釣りたてのイカはスーパーで売っているイカと味が天と地の差なんだよね」などと熱弁していたような気がしないでもない。
正直なところ、工業的に作られたコンビニのクリスマスケーキの場合、どれを買っても同じ味である筈であるし、本当に盗んだケーキが美味しいのであれば「美味しんぼ」の35巻あたりで山岡士郎が「これから実際に私が盗んできたケーキを皆様にお出ししましょう」などと自身に満ち溢れた表情で「盗んだセブンイレブンのクリスマスケーキ」を京極さんや唐山先生に食べさせ「うほぉ、これは!」などと驚愕させていた筈だ。
だが彼女の言いたい事はわからない訳では無い。 「万引き」という行為をした上で「クリスマスケーキ」を得るという行為は、先述の「釣り師」「ハンター」達が行っている「狩り」と同義であるし、自分がアオリイカ釣りをしていた時代は、釣り友達が釣ったイカより自身の釣ったイカの方が絶対に美味しいと心から思っていた。
つまり「盗んだケーキが美味しいというのは気分の問題」と言える。
実際に裁判官も同じように考えていたようで、被告人に対し相当厳しい口調で
「盗んだケーキも買ったケーキも味は同じです。盗んだケーキが美味しいと思っているの気分の問題で、貴方は盗む行為が楽しいと思っているだけじなないのですか?。私は全く共感できませんし、貴方は矯正施設である刑務所に服役し更生して社会復帰をしていたんじゃないですか? 前の裁判で二度とこのような事はしませんと言っていましたよね?」
…と、ド正論を被告人に投げかけてきた。
ここまで強い口調で正論を投げかけられたならば、大抵の人間は萎縮して「はい、仰るとおりです。大変申し訳ございません」と反省の弁を述べてくる筈なのだが、彼女は「映画 クリムゾン・タイド」にてデンゼル・ワシントンがジーン・ハックマンに立腹しながら「貴方は間違っている!!」と強い語調で言ったようにこう言ったのだ。
「それは違います! 裁判官さんは実際に"盗んだケーキ"と"買ったケーキ"を食べ比べた事かあるんですか? 本当に味が全然違うんです。 食べ比べた事が無いのに断定するのはやめてください! だから私はまた刑務所から出てきても、食べ物を美味しく食べる為に盗んで食べると思いますっ!」
たじろく裁判官、パリの万国博覧会に出品された人魚のミイラのような表情になる弁護士、笑いが噛みせず「クックッ」「フヘヘへ」「グゥフフ」と変な声が出す傍聴人たち。
結局この裁判は「盗んで食べた事がないなら語るな!!」という被告人による魂の叫びと共に閉廷した。
さて、何故にここまでゲームの「ゲ」の字も書かず、ただ只管に「窃盗犯」の話を書き続けたのか? その理由は簡単な事で、当方が本日紹介するゲーム「スナッチャー」に関する記憶も情報も一切持ち合わせていないことから、スナッチャー(SNATCHER)の和訳が「ひったくる者」「強奪する者」という部分だけをピックアップして駄文を書き始めてしまったからだ。
きっと皆様は思った事だろう。
「プレイした事がないなら書くな!!」
ここまで全く共感できなかった「被告人」と同じように。
という訳で本日は、レトロゲーマーにはお馴染みなコナミの大名作「スナッチャー」が任天堂の「バーチャルボーイ」に勝手移植されいるというビッグニュースをご紹介!!
https://www.virtual-boy.com/homebrew/snatcher/ 勝手移植なバーチャルボーイ版 スナッチャーのダウンロード先
https://www.youtube.com/watch?v=gLFM9hbY1-4 勝手移植なバーチャルボーイ版 スナッチャーのプレイ動画
こちらの勝手移植なバーチャルボーイ版 スナッチャーはデモ版であるが故に「ACT.1」までしか遊べないのだが、あの「スナッチャー」があの「バーチャルボーイ」に勝手移植されたというだけどもビックリ裏ゲーム情報であると思うし、そもそもバーチャルボーイへの勝手移植作品は本当に少ないので、本情報はよくチェックしておくのがモアベターと言える。
なお、これは相当余談となるが、実はバーチャルボーイにこっそりと「Doom」が勝手移植されている事は世間的にあまり知られていない。 なので本件をそれを何となく「yyoossk」さんにお伝えしたところ「動作確認も兼ねたバーチャルボーイの起動動画/説明ページも作ってくれた」ので「Doom」の勝手移植に日々興味津々な方はこちらも併せてこちらもどうぞ。
https://twitter.com/Cloud0835/status/1763843237507465300 バーチャルボーイ版 勝手移植なDoomの説明 & 動画
そんな訳で、当時バーチャルボーイを買った理由は「新品本体 + ソフト5本付きで 3,800円」という出血大サービス価格であったからという方や、若かりし頃にバーチャルボーイをプレイした瞬間「我が家に近未来が遂にやってきた!!」と意味のわからない感動をしたという方、若い頃にバーチャルボーイの説明書きに書かれた「バーチャルボーイは休みながら遊びましょう」という警告文を無視した結果「裸眼では何も見えないくらいに視力が悪くなってしまった」とい苦い思い出のある方は、こちらの「バーチャルボーイ版 スナッチャー」&「バーチャルボーイ版 Doom」を試して「凄い!!マジで飛び出てる!!」と当時のように驚きながらゲームを楽しんでみてはいかがでは。
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